骨粗鬆症(骨粗しょう症)について
骨粗鬆症になることで、背骨が体の重みで潰れたり、背中や腰が曲がったり、痛んだり、変形による圧迫骨折が起こったり、ちょっとした転倒で骨折するといった事態を招きやすくなります。
また、大腿骨近位部という足の付け根の骨を骨折すると、体を支えられず、要介護状態や寝たきりを招きやすいため注意が必要です。
骨粗鬆症の女性では、脊椎骨折がある方は、脊椎骨折がない方と比べて、新たに骨折を起こす危険度がおよそ3倍といわれています。
このような骨折の連鎖は、いわゆる「ドミノ骨折」といわれています。
一般的に骨量は20~30歳頃の若い時期をピークに、加齢と共に減少していきます。
また近年では、若年女性においても偏食や過度のダイエットなどによる月経不順や骨粗鬆症が問題視されています。
加齢の他にはカルシウム不足、運動不足、喫煙や飲酒、閉経による女性ホルモンの減少なども原因となります。
特に閉経を迎える50歳前後の方は注意が必要で、閉経による女性ホルモンの分泌低下は、新たに骨が作られるスピードよりも、骨が溶けるスピードが上回る状況をもたらします。
骨には古い骨が新しい骨に置き換わるリモデリングという機構があり、健常な状態のリモデリングでは、古い骨が壊される骨吸収と、新しい骨がつくられる骨形成のバランスが保たれています。
このバランスが崩れると骨の量や質(骨密度と骨質)が低下して骨が脆くなり、骨折の危険性が増大した状態が骨粗鬆症ですので、骨粗鬆症は単なる老化現象ではなく、病的な骨の状態です。
日本では、高齢化に伴い、骨粗鬆症の患者さまが1000万人以上といわれていますが、実際に骨粗鬆症の治療が行われているのは、その20~30%に過ぎません。
骨粗鬆症は、医学的に予防する方法があり、治療により改善できる疾患です。
早期の対策や治療で骨粗鬆症のリスクを軽減し骨折を予防することが重要です。
検査・診断
当クリニックでは、骨密度検査(DXAまたはDEXA、デキサともいいます)、レントゲン検査、血液・尿検査が可能です。
当クリニックでは、GE社製PRODIGY Fuga-C(DXA法)を使用して骨密度を測定しています。
測定時間は5分程度です。
こちらは学会やガイドラインが推奨している測定方法で、個人間でばらつきが少なく、骨折が起きやすい部位である腰椎と大腿骨近位部の骨密度を測定し、骨折リスクの評価に役立てます。
またレントゲン検査や血液・尿検査を組み合わせて骨代謝の状態を把握し、骨粗鬆症の診断・評価を行い、治療につなげています。
費用
骨粗鬆症と診断された後に医師の判断で検査を行う場合は保険適用となり、3割負担の方の場合、骨密度検査のみで1,500円~3,000円程度となります。
レントゲン検査、血液・尿検査なども含めると、おおよそ3,500円~5,000円程度になります。
予防・治療
日常的に行うことができる食事療法や運動療法、生活環境の改善指導などに加えて、病状が進行している場合や、骨折の危険性が高い場合などは薬物療法を開始します。
薬の種類には、
- 活性型ビタミンD3製剤:骨の代謝を助けます
- ビスフォスフォネート製剤:骨吸収を抑制することで骨形成を促します
- エストロゲン製剤および類似薬:女性ホルモンに関連する薬です
- カルシトニン製剤:骨吸収を抑制し、骨折関連の強い鎮痛作用もあります
- 抗RANKL(ランクル)抗体製剤:骨吸収を担う細胞の働きを促進するRANKLを阻害します
- 副甲状腺ホルモンおよび副甲状腺ホルモン関連蛋白製剤:骨形成を促進して骨量を増やします
- 抗スクレロスチン抗体製剤:骨の強さを抑制気味に調節しているスクレロスチンを抑えることで、骨形成促進と骨吸収抑制の両方に作用します
などがあり、これらを患者さまの状態に応じて使い分けます。
内服薬、貼り薬、点滴・注射薬などがあります。
このように単に骨粗鬆症と言っても病態や治療法は様々であるため、当クリニックでは、様々な骨粗鬆症薬の中から、骨粗鬆症の重症度だけでなく生活環境や費用負担などを考慮して、内科・外科を問わず患者さまに適した治療を提案しています。
また骨粗鬆症の治療は一定期間以上使い続けなければ骨折予防効果が十分に得られません。
骨密度の測定や血液検査で、薬の効果や副作用を定期的に評価し、安全面にも配慮しながら、患者さまの状態に応じた骨粗鬆症の治療を行います。
骨粗鬆症の治療により、骨折リスクの低減が期待できます。
効果は治療法や患者さまの状態によって異なります。
人生100年時代が到来しようとしている現在、いつまでも健康な身体と丈夫な骨で、明るく楽しい生活を送れるように骨折予防に力を入れています。
すでに骨折があり痛みが強い方、筋肉の衰えによって関節痛や肩こり、腰痛がひどい方などは、投薬や痛みの治療などで健康的な生活を取り戻すお手伝いをしたいと思っております。
最近足腰が痛い、または弱ってきた方、身長が縮んだ方、将来の骨粗鬆症が心配な方も、まずはお気軽に受診してください。